09年に読んだ本ベスト10

いちおう今回も選んでみました。
2009年に‘出た’本じゃなく2009年に‘読んだ’本です。


1.阿部和重『ABC』

新潮文庫で以前に『ABC戦争』を読んでいたのだけど,
これはそこにさらに3編を追加した物。
初期傑作選みたいな位置づけということもあるし,
これが一位というのはちょっと反則的かも。
新しく読んだ「無情の世界」「鏖」が面白かった。


2.津原泰美『蘆屋家の崩壊』

まあ,ホラー短編集でいいのかな。
ルピナス探偵団」シリーズしか読んでなかったので,
特に期待せずに読み始めたんだけど,すごかった。
どの話も完成度高すぎだろ。
ということで,これが一位でも良かったんだけどね。


3.星野智幸『毒身』

“独身の蜜は毒の味”だそうだ。
『目覚めよと人魚は歌う』『ファンタジスタ』では
あまりぴんと来なかったのだけど,これは面白かった。
個人的には,少しタイムリーwで,この時期にかよと思う。


4.池上永一『ぼくのキャノン』

相変わらず,酷いけれど読み終わるとなんか幸せ!系。
人はけっこう死んだり,悲惨な目にあったりするのに,
なぜか後味がよいのは,敵役があきらめない正確だからか...
沖縄に行きたくなる作品。


5.古川日出男『ルート350』

これがもっと上に来てもよいのだけれど,どうかな。
読んでいると,スピード感がすごいなと思うんだけど,
話の中身が,今の時点ではあまり記憶に残っていない。
好きなのは「お前のことは忘れていないよバッハ」とか。


以下,気が向いたらもう少し感想を書きます。

6. 米澤穂信ボトルネック
暗いです。(←ほめ言葉のたぐい)

7.桜庭一樹赤朽葉家の伝説
長いです。(←ほめ言葉ではないかも)

8.伊坂幸太郎『死神の精度』
騙されます。

9.宇月原晴明安徳天皇漂海記』
壮大です。

10.森見登美彦『きつねのはなし』
渋いです。渋い。


その他,

鴨川ホルモー』『どうで死ぬ身の一踊り』
『六〇〇〇度の愛』『厭魅の如き憑くもの』
など