平山瑞穂『ラス・マンチャス通信』
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/12/21
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 47回
- この商品を含むブログ (112件) を見る
僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」は始末されるべきだし、頭の足りない無礼なヤンキーが不幸になるのは当然だ。僕のせいではない。でも、なぜか人は僕を遠巻きにする。薄気味悪い虫を見るように―。カフカ+マルケス+?=正体不明の肌触りが、鈴木光司氏の絶賛を浴びた異形の成長小説。(出版社による内容紹介)
ダークというかグロテスク系ですねぇ。
久しぶりにこういった肌触りの小説を読んで,ちょっと興奮気味。
日本ファンタジーノベル大賞*1の受賞作ですが,まあ日本ホラー小説大賞のほうでもいいような。
ものすごく読んでいて不安定にさせる小説ですよね。
救いがありそうで救いがなさそうで...。
まあ基本的にはイヤーな話なんですけどね。最初から最後まで。
それでいて,ラストはちょっとせつなくなるぐらい,よい雰囲気だったもんだから。
一瞬,実は“感動の名作”だったんじゃないかと勘違いしてしまいました。
いや,ということは,やっぱり救いはあるのか。
主人公の成長の物語と言えなくもなさそうだし。
最初は,表紙のイラストのイメージもあって,何となく主人公は中高生ぐらいかなと思ってました。
言動とかも頼りない感じでしたからね。
けっきょく彼にどういう変化が生じたのか,よくわからないんですが。
なんだか気持の整理ができてないや。