モンテネグロの国名コード
米澤穂信『さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)』(僕の2006年に読んだ本ベスト10)で思い出しましたが,モンテネグロって昨年,正式に独立して国連加盟もしてたんですよね。
これで旧ユーゴスラビア連邦共和国を構成していた6共和国がすべて独立したわけで,考えてみると感慨深いものがあります。
そういえばモンテネグロとセルビアの国名コードって,どうなったんだろう?
そう思って,ちょっと調べてみました。
(以下,『さよなら妖精』のネタバレになる可能性もありますので,未読でこれから読もうと思う方はご注意を!)
国際標準化機構(ISO)と国際オリンピック委員会(IOC)で,それぞれ使われているコードは,
国\コードの種類 | ISO A-2*1 | ISO A-3*2 | IOC*3 |
---|---|---|---|
モンテネグロ共和国 | ME*4 | MNE | MGO |
セルビア共和国 | RS | SRB | SER |
(分裂前*5) | CS | SCG | SCG |
で,セルビアもモンテネグロもISO A-3とIOCとでコード名が違うんですね。
分裂前はどちらも“SCG”だったのに,面倒くさい。
統一しようという考えはなかったのでしょうか。
それはそうと“セルビア・モンテネグロ”なのになぜ“SCG”だったのか?
『さよなら妖精』を読んだ人なら覚えているかもしれませんが,モンテネグロの自国語(セルビア語)での呼び名が“Crna Gora”だからのようです*6。
じゃあなんで,今度は英語名のほうを使ったんでしょうねぇ?
ちなみにクロアチアはHR/HRVとCRO。
ISOのほうがクロアチア語(Hrvatska),IOCのほうが英語(Croatia)。
スイスだとCH/CHEとSUIで,
ISOのほうがラテン語(Confoederatio Helvetica),IOCのほうはフランス語(Suisse)からでしょうか。
ドイツはわかりやすいかな。DE/DEUとGER。
で,国名コードを覚えとくと,なんかメリットがあるのか?
実を言うと,それほどメリットを感じたことはないんですねぇ。これがまた(自己満足? 笑)。
ISOの2文字のほうは,インターネットのトップレベルドメインとしても用いられているので,外国のウェブページやメールアドレスを見た時にだいたいどこの国かわかるぐらいですか。
まあ,そういう機会自体あまりないけど。
IOCのコードのほうは,スポーツ競技の国際大会で普通に使われているので,わりと便利かなという気がします。
順位表とかではたいてい国名代わりにこのコードが表示されています。
例えばこことか → 2006FIFAワールドカップ - 試合日程・結果。
参考リンク:http://www.statoids.com/wab.html
国名等については,ウィキペディアの各国に関するページなどを参考にしました。
*1:ISO 3166-1 Alpha-2,国際標準化機構 (ISO) によるコード:アルファベット2文字
*2:ISO 3166-1 Alpha-3,同上:アルファベット3文字
*3:国際オリンピック委員会 (IOC) によるコード
*4:モンテネグロのISO A-2は“MN”かと思ったら,既にモンゴルが使ってる。ちなみにMTはマルタ,MOはマカオ。
*5:旧国名はセルビア・モンテネグロ。一部のスポーツ競技ではまだ統一チームとなっているようなので,しばらくは用いられることがありそう。
*6:“日本”と“Japan”の違いみたいなものか