呉智英『現代人の論語』
- 作者: 呉智英
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: 文庫
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「学びて時にこれを習う」の本当の意味は? ありがちな誤読を解き、礼の文化から知のあり方まで孔子の真の精神性を説く不朽の名著!
酒見賢一『墨攻』→同『陋巷に在り』→顔回→孔子 という連想で、これを読むことに。
彼の主張する“封建主義の復権”が具体的にどういうものなのか、浅学なこちらには未だよくわかりませんが(当たり前っちゃ当たり前、読書量がぜんぜん違うだろうし)、
彼の本はいろいろ刺激的なので、わりと読んでいるほうです。
本書ももっと攻撃的な本かと思っていたら、意外とまとも(というと失礼か?)でした。
十分一般性のある中身になっていますね。
実は“名著”といった感じ。
まあ、教育雑誌に連載してたということもあるのでしょうし、僕が彼の過激発言に慣れているということもあるかも。
革命軍に参加しようとし、弟子に止められる孔子!?
王妃との不倫を弟子に疑われ、狼狽する孔子!?
弟子に対し恋歌の解説をする孔子!?
確かに、一般的に想像される孔子像とはちょっと、いやだいぶ違うかも。
冗談で弟子と笑い合う孔子!? これはありそうかな(僕の印象)。
自分の思想が世間で認められないことに複雑な気持ちを抱きながらも、自らの信念に自信を失わない孔子の、生身の人間としての姿が見えてくる本です。