浦賀和宏『八木剛士 史上最大の事件』

八木剛士史上最大の事件 (講談社ノベルス)

八木剛士史上最大の事件 (講談社ノベルス)

不死身の〈〈力〉〉を宿す奇跡の男――八木剛士の心にくすぶり続けるのは、デタラメな世界への激しい呪詛。学校では凄まじい虐めを受け、謎のスナイパーには命を狙われるという生き地獄の中で、初めて手に入れた恋という名の青春! 唯一の救済者・松浦純菜への想いを募らせすぎた妄想は、ついに脳外へ……。そして事態は急展開! 急旋回! 急降下!? 八木剛士に訪れた史上最大の事件とは!! (講談社による内容紹介)

最初に一言:前作とか読んでないとネタとかもわからないので,本作から最初に読むのはやめましょう。


実を言うと,前にある程度立ち読みしたことがあって,“最大の事件”のネタについては知っていたんですが。
さらなる大ネタがあるかと思っていたんですけど,果たして……。(ネタバレにこだわる方はご注意を)




うーん。それだけかよ!


これってあれですかねえ? 大いなる一発芸(笑)。
(といっても叙述トリックとかじゃないよ。)


思いっきり作者にかき回されているような気もします。
人によっては「読者をなめてる」って感想になったりするのかもしれませんが,
まあ個人的には可。


「妄想はついに脳外へ」って,どれのことを指しているのかよくわからんけど,
確かにきてますかねえ。

(死ぬ前に)一度だけでも、一緒に風呂ニハイリタカッタヨゥ……

一番の盛り上がるところで,それかよ。
緊張感があるんだか,ないんだか。


そんな中,肝心なことは明かされずに謎ばかりが深まっていく。
作中で触れられるIS2計画とは何なのか?
剛士の“力”の正体は? 叔母の発言の意味するものは?


本作に限っていえば,彼女が狙われたのはいったいなぜなのか?(何も考えてなかったってわけじゃないですよね?)
いじめが激しくなるというのに,こんな事件までおきて,今までのように学校に通えるのか?


それよりなにより,アレが“最大の事件”ってことは,アレを越える事件は今後起きないってことかよ。おい!


とりあえず次作に期待!(していいんだよね?)
最後にでっかい一発があるのか?それとも思いっきり空振りするのか?
いずれにせよ,ここまできたら読んでいくしかないか。